家族会議をしましょう 第5回「我が家のおうちルールを考えよう」

家族会議をしましょう

あなたの家は、家族にとって居心地のよい場所ですか?

「100%いつでも幸せ!」ではなくても、「喧嘩することもあるけど、どちらかといえば…」レベルでOKです。

 

今回は、家族が幸せを感じるためにも、まず「あなたが幸せであること」について考えてみましょう。

きっとあなたも「家族が幸せになる」ために、いろんなことをしていることでしょう。ただ、家族のために「知らず知らずに」自分を犠牲にし過ぎる人もいます。

あなたはいかがですか?家族のために犠牲になったり我慢しすぎたり、していませんか?

ここまで読み進めると、多くの方が「そんなことはない」と感じるかもしれません。でも、もしかすると気づいていないだけかもしれません。

 

自分では気づいていない「無意識の偏ったモノの見方」を「アンコンシャスバイアス」といいます。

人は誰にでも「アンコンシャスバイアス」があり、そのこと自体に善悪はありません。ただ、人と関わる時に「つい」言ってしまうことが、目の前の相手にとって「不快」につながることがあります。

この「つい」言ってしまうのはなぜか? 「自分では気づいていない(=無意識)」のため、言っている本人も気づいていない、つまり「悪気がない」のでつい、言ってしまったり、思ってしまったりしているのかもしれません。

 

例えば、保育園の送迎をしているパパに対して、他の園児のママが一言

「あら?今日パパ?ママ体調悪いんですか?」

さぁ、こう言われたパパ!あなたはどちらタイプですか?

・「いいえ~、ママは元気に仕事行きました」と言って気にしない

・「いいえ」と言った後、心の中でつぶやく

 →「パパが来たっていいだろう?!」

 →「やっぱり送迎はママの方がいいのかな?」

  →ママと相談

  パパ「他のママにいろいろ言われるから、送迎はママの方がいいんじゃないの?」

  ママ「そうだよね…よそのおうちもママが多いし、やっぱり普通ママだよね…」

他の園児のママの言葉は、きっと悪気なく「保育園の送迎はママの役割」が無意識のうちに「当たり前」と思いこんでいるから出ているのかもしれません。実際は…子乗せ自転車に乗るパパも増えているし、その家庭がうまく回っていればOK!なんですよね。

パパ「できる時は送迎したいけど、やっぱりママの方が自然だから、明日からは止めた方がいいかも…」。

ママ「パパが行ってくれると助かるけど、普通はママがすることだし、頑張ればできないこともないし…子どものためにも頑張ろう…」といったことをもしも思ってしまったら、それは、もしかしたら、アンコンシャスバイアスの影響をうけているかもしれません。

 

それではここで、前回の「第4回家族会議をしましょう」を是非ご覧ください。

誰が登場しているのかイメージ映像を作りながら、【事例】を読んでみてください!

 

さぁ、いかがでしたでしょうか。 コラムの事例に出てくるイメージ例は次のようなものです。

・「子どもをお風呂に入れる」のは当然ママ(パパ)だろう

・テレビを観ているパートナーとは、どこの家でも普通パパのことだろう

・食器がテーブルの上に30分放置されイライラしているのは、絶対ママだろう

これらは「ステレオタイプ(属性で決めつける)」の例で、「家庭内役割意識」に根付いたものと言えます。「ママ(パパ)はこうあるべき」「家族は普通○○のはず」「絶対に家事は○○しなきゃ」と思い込んでいることはないでしょうか?

 

ここからは、自分自身を「苦しく」している無意識の思い込みはないか、「自分」に目を向けましょう。

*得意でやっている・本当にそのことが好き、は「不快」ではありません。自分が大切にしたい価値観、とは区別してくださいね!

STEP1:ワークシートの空欄部分に「普通は・・・」や「当たり前」と思っていることを記入してみましょう。

STEP2:その中で、「実は不快かもしれない(実はイヤかもしれない)」ということがあれば、チェック 。

STEP3:チェックした項目について、その理由を書き出してみましょう。

STEP4:家族に気づいたことを伝え「我が家のおうちルール」を作りましょう。

例:掃除は毎日するものだと思っていたけど、〇日に一回でもいいと思うんだけれど、どうかな?

例:配送料がかかるけど月2回ぐらいだったら食材宅配を利用したいと思うんだけれど、どうかな?

例:パパ送迎はうちだけだけど、他のおうちに合わせなくてもいいと思うんだけれど、どうかな?

 

注意!「家族会議」のための準備です。「家庭内トラブル」を勃発させるためのものではありません。 おうちルールを考える時には、NG「あなたが○○してよね!」といったように、相手に「押しつけたり」「決めつけたり」といった発言や、指示命令は控えましょう。「私は○○と思うんだけれど、どう?」と、提案型でいきましょう。お互いが「そんなふうに思ってたんだね~☆」と思いやる気持ちが大切です。 ひとりひとりが、心健やかに、ご家族との時間を過ごせますように。

執筆:一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所認定トレーナー 市川麻波

掲載日:2020年8月25日