家族会議をしましょう 第6回「ところで、家族って何でしょう。家族について考えてみましょう。」

家族会議をしましょう

今まで、5回にわたって家族会議をしてきていただきました。これまで、家族について考え、家族で話し合いをし、家族の関係性についても検討してきたことと思います。では、家族っていったい何でしょうか。現行の民法においては、親族の定義はあっても家族の定義はありません。国勢調査も家族単位ではなく、世帯単位で実施しています。

あなたの考える家族の定義は何ですか。家族の関係性や、役割分担、誰を家族と思うかということも、人それぞれです。あなたにとって、家族はどなたですか。家族は、次世代の子どもたちを育む器でしょうか。次世代の子どもを育む器は家族だけですか。あなたの家族メンバーは誰ですか。家族との関係はどうでしょうか。家族の役割、家族の範囲など、家族について考えてみるワークをしてみましょう。

あなたの価値観が、見えてくるかもしれません。あなたが家族だと思う人にもワークをしてもらい、その結果をもとに話し合いましょう。家族メンバーの価値観も、見えてくるかもしれません。

 

家族関係図を描いてみましょう

自分の家族関係図を描いて、家族について考え、家族との関係を見つめ直してみましょう。

「家族との関わり「家族関係図」」(PDF)を見る

 

ワーク「赤ちゃんの幸せ」をしてみましょう

「赤ちゃんの幸せ(会議資料)」をよく読んで、課題シートに順位を書き込んでみましょう。あなたが家族に求めるもの、あなたが考える子育て方法、あなたのジェンダー意識などのあなたの「家族」に関する価値観が見えてくるでしょう。

あなたが家族だと思う人たちにも、同様の作業してもらいましょう。みんなの順位が決まったら、家族会議をして、家族としての順位付けを、コンセンサス(集団としての合意)によって、決定しましょう。「子育ては実母に限る」「父親は何をしているのだ」「子育てにはお金がかかる」「施設環境を整えるべきだ」「子育てには、母親と父親がいたほうがいい」「実母の心情が気にかかる」など、色々な意見が出ることでしょう。それらの意見をじっくり聴いて、十分に話し合って、家族としての合意を目指しましょう。

「ワーク「赤ちゃんの幸せ」」(PDF)を見る

 

これらの作業を通して、自分自身の家族観が見えてきたでしょうか。家族との関係について見つめ直すことができたでしょうか。家族でゆっくり話し合うことができたでしょうか。

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止の影響で、家族で過ごす時間が増え、関係性が良くなったケースがある一方で、ドメスティックバイオレンスや児童虐待の増加も懸念されています。また家庭内役割を女性が担う傾向が強く、女性たちの家事・育児の負担がクローズアップされてもいます。その結果、イクメンに目覚めた男性もいらっしゃるとの報道も目にする一方で、負担増になった女性の悲鳴も聞こえてきます。まずは自分自身の価値観や家族メンバーの価値観を知り、さらに家族でよく話し合って、コンセンサスを得ることが、ご自身の納得する家族関係の形成につながると思います。

執筆:椙山女学園大学教授 吉田あけみ

掲載日:2020年9月25日

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